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2008年 09月 06日
山梨のK川で虫草探索。
前回ここに来たのは7月のこと。もう一回と思いつつも8月は来ることができず、この時期までずれこんでしまった。ただ、そのときに一本だけだったがタンポタケを見つけていて、おそらく菌生冬虫夏草が他にも出るのではないか、出るとしたら福島での経験からいっても今頃いいんじゃないの?という目論み。 何度か触れているが、あらためて解説しておくと、菌生冬虫夏草というのは虫でなくキノコにつくひねくれものの冬虫夏草である。キノコといってもそこらのものではなく、地下生菌のツチダンゴ類に発生する。食材のトリュフも地下生菌の1種だ。樹木の根に菌根をつくり、団子状の子実体いわゆるキノコを地中につくる。そのキノコにとりつくのが菌生冬虫夏草。 だから菌生冬虫夏草を探すときには、ツチダンゴがありそうな環境を探すことになる。K川でいうと沢沿いではなく、降りる途中の斜面ということになる。ちょっと土が露出しているところでは、樹木の細い根がたくさん浮き出ているようなところがあるが、そういうところをよく見ると黄土色をした玉状のものが顔をのぞかせていたりする。そこを掘ってみれば、小さなジャガイモといった感じのツチダンゴ(画像中)があらわれる。こういうところで、かつ菌の発生に必要な湿気があれば菌生冬虫夏草が発生するかも、という具合だ。 前回タンポタケを見つけた周辺を探索してみたところ、やはりいくつか菌生冬虫夏草が出ていた。 最初に見つけたのはちょっと色の薄いタンポ型のもの。福島で見たミナズキタンポタケに似ている。もう一つは柄が黄色っぽくたぶんタンポタケ。それから子実体がこん棒状で黒っぽいハナヤスリタケ(画像上)。 沢沿いでは大した成果はなかったが、ウスキサナギタケがいくつか見つかった。この間までなかなか見つけられずに苦労していた種類だ。あるいは発生時期が今頃が多いのだろうか。帰りがけによった近くの別の沢では、不完全体のハナサナギタケをともなったもの(画像下)がようやく見つかり撮影することができた。 例によって虫草以外はほとんど見ていないが、オマケでうれしかったのは、気になって持ち帰ったセミの抜け殻がコエゾゼミであったこと。セミ抜け殻コレクションで欠けていたものの一つだったのだ。あとはアカエゾゼミも見つけられたらだいぶそろうのだけれど……。 いずれにしろ、ココはやっぱりいい虫草ポイント。 →虫草詣で(その23) #
by ikkaku24
| 2008-09-06 20:33
| 菌類
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2008年 09月 05日
ここのところ冬虫夏草つづきだったが、もういくつか山があるものの、ちょっと落ち着いてきた。冬虫夏草の発生時期としてもこっちのモチベーションとしても。で、今日は午前中久しぶりに虫眼でフィールド歩き。 冬虫夏草ねらいとしてはまず歩かなかった田んぼまわりなど行けば、イネは頭をたれ、各種アカトンボは飛び、コバネイナゴはピョンピョンはね、トノサマバッタが飛び去る。今日など陽が射して暑い日だったが、風景と顔ぶれは秋に向かっている。 冬虫夏草探索は、暗い林床にうずくまり、ひたすら細かいものを見分けていくという時間だから、それ以外のものを見るのには適していない観察だ。そんなわけで今年の夏はあまり虫とつきあわなかったという気がする。だから見る虫がみんな新鮮。いいねえ、虫は。 ウメの木の葉裏でイラガ終齢幼虫を見つけてからは、そっち方面にアンテナが向いたのか、イモムシ・毛虫の幼虫な日となる。 コアカソでフクラスズメ幼虫を振動させる。あまり愛想のいいモデルではなく、ちょっと振動した後は移動していってしまった。 クヌギではこれまで見た記憶のないイラガ科幼虫(画像下)を見る。手持ちの図鑑には該当種が出ていない。どうやらタイワンイラガという種類のように思われるのだが、どうしてこれまで見たことがなかったのだろう。あるいは名前からして暖地性の種類なのだろうか。それにしてもこの幼虫、いい色合い。盛口氏がイラガ幼虫のことを「陸(おか)ウミウシ」とネーミングしていたけれど、まさにピッタリだ。 ハギの枝にはシャチホコガ幼虫。このエイリアン的イモムシには、何度会ってもしばし見とれてしまう。おまけにこのハギには複数の幼虫がいて、撮影していたら一匹が移動し、もう一匹のところにぶつかり、どちらもあわて、お互いにエビぞり、「ここはオレがエビぞるポジションなのだ」と、まるでケンカするようにエビぞり脚をふりあげるものだから思わず笑ってしまった。こうなるとエイリアン的不気味さは消えてしまい、滑稽な体に見えてくる。 これから秋にかけてスズメガなどジャイアントなイモムシも出てくるわけで、やっぱりガの幼虫は個性豊かで楽しい。 #
by ikkaku24
| 2008-09-05 18:58
| チョウ目
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2008年 09月 04日
昨日、一昨日と盛口氏来訪。 二人で長野の、というか僕のマイフィールド内の虫草ポイントを見て回る。二日間で彼が見たことのない、あるいはあまり見たことがない種類の発生地を見るということが目的なので、ちょっとあわただしいフィールドめぐり。ここは7月頃に○○が出ていたところだよと解説しながら環境を見てもらったら、すぐに車で次のポイントに移動、という具合。 折しも8月が終わり、空も空気も何となく夏の終わり、秋の始まるを感じさせる。つまりはほとんどの冬虫夏草のシーズンも終わり。この間まであったはずの種類が見つからなかったり、モロくなったのがちょびっと見つかるだけたったり。短時間でも二人の目で見ていると気になるものが見つかったりもした。 中央アルプス中腹のS平。コブガタアリタケのカウントなどをし、思ったよりも数は増えず、さて次にいこうかというタイミングで盛口氏「アッ、タンポ」とめざとくタンポタケ(画像上)。わずか一本だけだったが、マイフィールドではじめての菌生冬虫夏草。 また、同じく中央アルプス山麓の沢沿い。ハトジムシハリタケが思ったように見つからず、それでもせっかくだから対岸を調べてみようかと歩きはじめたら、盛口氏「アッ」。今度はウスキサナギタケ(画像中)。普通種ということになってはいるが、思ったほど見られない種類。それが4つ。というわけで、思わぬ収穫がポツポツと出た。 今は二人とも共通して冬虫夏草モードだけれど、それでもお互いに違うアンテナを持っているので、そのあたりも楽しかった。彼は野菜モードでもあって、産直店で地物の野菜やらキノコやらを忙しく見て回り、畑の片隅に飼料用に植えられたシコクビエ(画像下)に「シコクビエじゃないですか!」と感嘆し、河原に生えたある草を見つけては「ヤッさん、これ、レタスの原種のトゲチシャだよ」なんて教えてくれる。こっちは最近虫情報を把握できておらず、かろうじてニセアカシアに立派なトビイロスズメの幼虫を見つけたくらい。 片方は沖縄、もう片方は長野。片方は書き手で大学勤め、もう片方はフリーで駆け出しのカメラマン。年も重ねて少々体にガタも出てきたし、いる場所と立場もずいぶん離れたけれど、こうしていっしょに歩き出せば教員時代に歩いているときのようになってしまう。振り返れば20年来の縁。 今度は僕が沖縄に行って彼のフィールドをまわってみたいなあ、と思った次第。 →30分圏内の虫草(その12) #
by ikkaku24
| 2008-09-04 19:03
| 菌類
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2008年 09月 02日
福島二日目。 山に入って虫草探索の予定だったが……前夜から雨。かなりしっかりとした雨が夜の間中降り続いていた。 「安田さん、雨でも行きますか?」なんてウカジさんに聞かれる。せっかくここまで来たのだからちょっとでも見に行きたいが、ザーザー降りの中では撮影もキツいし、林床が暗くて探索能力もガクッと落ちる。何だか最近、虫草詣でに出かけると雨に降られるというパターンだなあ、などと思う。 朝、起きてみるとやはり雨。ちっとも変わっていない。朝飯の後、長靴にカッパ、傘と雨装備に身を固め、以前梁川で遊んだマキさんも合流し、いざ出発。 車を降りて歩き始めるも、渡る小さな沢はけっこうな流量。周囲はコナラ、ミズナラ、アカマツなども少し混じる落葉広葉樹。全体に地形も沢もゆるやか。急な斜面はほとんどなく、林が奥までずっとつづいている。思ったよりも下草はあり、明るめで、天気つづきのときには乾燥するらしいが、菌生虫草のホストであるツチダンゴが好みそうな環境だなあと思う。とにかくまずはウカジさん、サイトウさん、アベさんについて歩く。ウカジさんたちはこの林を長年歩いているので、同じように見える林でもどの木の近くに出ているかがほぼ把握できてしまっている。「このコナラのまわりにハナヤスリタケがたくさん出ます」「ここ毎年ハナビラタケがワッと出ます」といった具合だ。 さっそくゆるやかな尾根部の林床でウカジさんがタンポタケを見つける。冬虫夏草にしては大きいが、頭部の色が褐色系でそれほど目立たない。「普通のキノコとどこが違うの?」という声あり。それでも見習って付近の林床を探索すれば、タンポタケが目に入ってきた。ミナズキタンポタケやハナヤスリタケも見つかりはじめ、来たかいがあったなあ、とうれしくなる。 雨の中、タンポタケの撮影に入る。 他の人たちはもう少し先を探索。カイツさんが戻ってきて「あっちでミナズキタンポとハナヤスリがたくさん見つかったよ」と教えてくれる。行ってみると、林床に塗り箸で点々とマーキングしてある。どの個体を掘って撮影しようか、という贅沢な状況。 ミナズキタンポタケは柄の根元が意外にもろく、ハナヤスリタケは地中の柄が細く根のようにクネクネ曲がりかつ枝分かれしており、きれいに断面を出すのがなかなか難しく手間取ってしまう。結局昼飯もとらずに午後半ばまで皆さんを待たせることになってしまい、えらく恐縮。 しかし、気がつけば雨は上がり、空は明るくなっていた。こんな環境が近くにあったらなあ、と思わずにいられないいい林であった。 →虫草詣で(その22) #
by ikkaku24
| 2008-09-02 18:08
| 菌類
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2008年 09月 01日
福島冬虫夏草詣でにはいくつか目的があった。
その一つ。冬虫夏草のいわゆる周辺にあるネタを撮ること。液浸になった標本だったり、漢方薬としての冬虫夏草だったり、冬虫夏草を使った製品だったり。 で、いつもお世話になっており、漢方薬局の人でもあるカイツさんにその辺をおたずねする。 「トウチュウカソウは今手に入らないんですよ。粉にした状態のものしかないです」 ちょっと説明がいるかもしれない。漢方薬として有名な冬虫夏草は種類が決まっている。中国のコウモリガ幼虫に寄生するシネンシスという種で、この和名がトウチュウカソウ。これが乾燥され、数十本が束にされ(画像3)小さな箱に詰められた状態で流通する。以前はそれほどでもなかったが、最近は価格が高騰し、とても手が出ないのだという。 「今、そういう標本はウカジさんのところにあるんですよ」 そういうわけで、福島一日目はまずウカジさんのところでいろいろ標本を見せてもらうところから始まった。ウカジさんといえば「特級掘り師」の称号を持つほどに虫草掘り採り技術の高さを持っている人ということは知っていた。が、自宅のあちこちに置かれた標本たちを見せてもらい、これはものスゴくマメな人でもあったのだとわかる。 液浸標本はすべてちゃんとしたビンの中に整形されおさめられて、棚にズラリと並ぶ。冬虫夏草関連の商品も、栄養ドリンク、お茶、化粧品にいたるまで「これで中国2,3回行った分です」というには山のようにある。もちろん件のトウチュウカソウもちゃんと何種類かのパッケージであった。 大御所であったシミズ先生から博物学的な姿勢を受け継いだウカジさんの興味はもちろん冬虫夏草にとどまらない。さまざまな種類の野生植物の木の実を使った果実酒のビンがズラーッ。拾ってきたマツボックリやら枝やら動物の糞なんかをていねいに加工してつくったペンダントなどのアクセサリーのおさめられたひきだしがズラーッ。蔵の作業部屋にはヒグマの毛皮がズラーッ。さらに「菌生冬虫夏草」とか「第○回西表冬虫夏草調査」とか、テーマに沿ってあつめた詳細な資料・記録をまとめた自家製冊子がズラーッ。福島駅で合流しいっしょにおじゃましたミヤモトさん、イガリさんとともにいちいち「わぁー、スゲーッ!」と驚くばかり。 撮影しながらいくつか話を聞く。ビックリしたのは虫草を掘る道具について。特級掘り師は何を使うのかと気になったのだが、答えは、 「私は道具使わないんですよ。素手です」 根っこが出てくれば剪定ばさみは使うが、定番のピンセットは使わず指で掘るのだという。「清水先生に指で掘れって教わりました」ビックリつづきだ。 虫草関係のいくつかのみの撮影を終え、もう一つの目的のT温泉に向かった。そこでサイトウさん、カイツさん、泊まった温泉宿のご主人でもあるアベさんと会う。 食事はどれもおいしくて食べきるのが大変なほどの量でもあったのだが、ここは虫草屋アベさんの宿でもある。最後に特別メニューが登場した。冬虫夏草鍋。トウチュウカソウがたっぷりと入った煮込み鍋である。もう体の調子が完璧になりそうなありがたい汁をすする。 カイツさんいわく、「今、トウチュウカソウは一本3000円くらいするかな」。発生地であるチベットの高原はそれぞれのテリトリーになっていて、よそものが入り込むのは危険な状態にまでなっているのだという。そのトウチュウカソウが僕の汁には5本くらいは入っていたから一杯15000円てこと?!……はぁ。 →虫草詣で(その21) #
by ikkaku24
| 2008-09-01 18:18
| 菌類
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