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2008年 08月 10日
富山のトコオさんから電話がかかってきた。
「安田さん、今週か来週、こっち来られる?」 ナゾの冬虫夏草が出ているので撮影に来ないかという誘い。一つはマイズルナガエノムシタケという産地のかなり限られた種類。地元のキノコ観察会で発見され、その後調べたところで30本ほども見つかったそうだ。 さらに、この虫草を調べていたらそれらと同じ場所に見たことのない種類が数本まじっていたという。トコオさんはそれを調べるべく掘り採りを行ったが、残念ながらホストの虫までたどりつけなかったらしい。虫草経験の長いトコオさんをしてそういう結果になるのだから、相当に難しい虫草ということになる。 「地上部はしっかりしてるんだけど、土の中に入ったら薄いリボン状になってさあ、その先が段々細くなって……。あわててその下10センチくらい探したのだど見つからなくて……」 トコオさんは地上部だけタケダさんに送り見てもらった。胞子も出ていないのでまだわからないが、子実体が緑色がかっていることなどから沖縄の西表島産のカンピレームシタケという珍種に似ているのだという。 カンピレームシタケといえば、『原色冬虫夏草図鑑』を読んだことのある人間にとって特別な虫草である。著者である清水先生をして、掘り採り作業が一日で終わらず二日がかりになってしまい「きびしい思い出」になった、と表現させた虫草だ。 これはぜひ、というわけでまた富山まで。 いきおいこんでいたものの、案内していただいたのは「エッ?」と拍子ぬけするような場所だった。だいぶ以前に丘陵を切り開いて作られたごく普通の大規模住宅地。その真ん中にポッカリと残された池。池のまわりに雑木林が残っている。規模は小さいがどことなく狭山丘陵を思い出すような雰囲気。池のまわりには一周する遊歩道がもうけられており、ときおりジョギングやら散歩やらの人が通る。産地はまさにその遊歩道沿い。日陰っぽく比較的湿り気のあるわずか10メートルくらいの範囲。ここに二種の虫草がニョッキリと出ていた。 困難が予想されたので、マイズルの方は後に回し、朝一番から本命のカンピレー(候補です)の掘り採りにとりかかる。 地面から出る冬虫夏草の採集の原則は、とにかく慎重にということにつきる。まず地下の虫の位置を予想し(あまりあたらないのだが)、かなり手前から大きめの穴を掘り、少しずつ削るようにして発掘していく。 だが、場所はいわゆる公園。トコオさんが役場の管轄から許可をとっていただいていたとはいえあまり大規模なことはしにくい。近くに生えている別の個体の影響も心配だ。で、結局必要に応じて穴を広げつつという感じとなる。 しかし、この虫草はそんな半端な覚悟をすぐにくだくほどに難しいものだった。地上部はしっかりしているのに、地面に入ったとたん、1mmくらいしかない糸といった柄で、ちょっと扱いをあやまればすぐに切れそうな代物。いきなり、ルーペ越しにピンセットで土粒を一つずつ取り除く、というミクロな発掘作業となった。掘るにしたがって穴の中はくらくなり、ライトも登場。進行は悲しくなるほどゆっくりだ。しかもこれをどのくらいの深さまでつづければゴールなのかは誰も知らない。 途中ライトの電池が二度なくなり、トコオさんに買ってきてもらい、発掘作業はすでに4時間が経過。糸のような柄はときどき網目状に枝分かれしては一本に戻ったりと、予断をゆるさない慎重さがずっと求められる。方向は下というよりも土手の奥に向かっており、穴はすでに握ったピンセットが届かない深さになった。ホストはまだ見えない。 すでに何回目かのあきらめ気分を何とか押さえ、トコオさんが枝でつくってくれた掘り道具に切り替えてつづけるが集中力は落ちている。掘り出した柄が乾燥してきたのかモロそう、という心配があたってついに切れてしまう。その先が見つからない。穴の深さはこのとき40センチに達していた。残念ながら失敗(画像下)。何に寄生しているのかがわからなければ、その冬虫夏草の存在は半減以上してしまう。くうー。 よくやったよ、とトコオさんになぐさめてもらったものの、やはりくやしい。来年発生してくれたらリベンジするのだが……。それに疲労困憊。マイズルナガエノムシタケ(画像中)を何とか一つ撮影するのがせいいっぱい。 手強い虫草がまだまだあるのだなあ、と身を以て知った一日だった。 →虫草詣で(その18) #
by ikkaku24
| 2008-08-10 17:56
| 菌類
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2008年 08月 06日
冬虫夏草を探しにお出かけする予定も一段落。今月後半からまたいくつか遠征予定があるが、とりあえずは日常ご近所モードに戻る。さんざん野外に出たり撮影しっぱなしということもあり、画像の整理にもいよいよ手をつけなきゃならない。
そういえば画像を入れているハードディスクが満杯になり、外付けハードディスクを新しく導入した。以前の教訓をふまえて同じディスクを二つ鏡合わせにしておく。デジタルカメラの画素数は増加する一方であり、これまではハードディスク以外にDVD-Rにもバックアップをとっていたのだけれど、もうそういう単位じゃないなあというぐらいになってきた。新しいディスクに旧ディスクの内容をとりあえずコピーしたのだけれど、時間がかかった。はじめたのは一昨日の夕方で、コピー後の検証を含めて終了したのが今日の早朝。パソコン本体も非力になってしまっているが、もう少しこの状態でしのぐしかない。何はともあれディスク容量の心配はなくなり、ようやく日常モードとなる。 さて今月末には久しぶりに授業をする予定がある。相手は小学生でテーマは虫。京都で盛口氏といろいろ話していていくつかアイディアをもらい授業案を考えているところ。今回はスライドを使えないので、教材を用意したりつくったりして持ち込まなきゃならない。授業案を考えていたらゴキブリの標本がほしくなった。ホントはポピュラーなクロゴキブリがほしいのだが家にはいない。次善の策はヤマトゴキブリ。 で、D公園へ。 それなりに出ているクヌギの樹液をチェックしつつ、ウロをのぞいてまわり、無事にヤマトゴキブリを何匹か得る。バックグラウンドサウンドは、ちょっと前のニイニイゼミからアブラゼミへ、そこにミンミンゼミも混じるようになってきた。 手近にいたアブラゼミのオスを見ていたら、鳴きながら別のセミに近づいていく。それがアブラゼミではなくヒグラシ。えらく勘違いしてるなあ、とおかしくなったが、そのヒグラシをよく見てビビッとくる。お腹に白い幼虫をいくつもつけている。セミヤドリガ幼虫だ。伊那谷にも分布しているらしいが、二年前に探したときには見つけられず、わざわざ埼玉まで出かけたことがあった。それがこんなところにいたとは……。フィールドは近いほどいい。 一通り撮影しおえ捕まえてじっくり見るかと思いきや、飛んで逃げられる。うーん。その後、北側のスギ林中心にまわってみるがなぜかヒグラシをほとんど見つけられず。この近くでヒグラシの多そうなポイントをまずは見つけなければ……。 →セミヤドリガ(その2) #
by ikkaku24
| 2008-08-06 15:42
| チョウ目
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2008年 08月 04日
昨日まで盛口氏と二泊三日の京都虫草詣で。6月の下見のとき同様、今回もヤマモトくんのガイドおよびヤマモト家の強力バックアップ体制つきというめぐまれた条件。ありがたいことです。
しかし、時期の条件はいいとはいえず。何せ連日の猛暑と雨なしつづきのためにどこへ行ってもカラカラ。地面などカチコチに固い。それはあらかじめわかってはいたのだけれど、それでもせっかくだからダメモトで関西の虫草を見てみようよという計画。 予想通り、暑く(最終日など37度なんていう道路わきの温度表示を見る)、どこも乾いている。しかもまわっていてわかったのだけれど、シカの食害が相当に進んでいて、あちこち低木がなくなったり、そのためか風通しがよくなってさらに乾燥化が進み……という状態にあった。「温暖化が進むとあちこちの虫草はダメになるねえ」などと盛口氏と話す。 それでもヤマモトくんに平地や山地を案内してもらい、予想以上に見て回ることができた。それは初めて見るキアシオオゼミタケだったりもするが、同じ虫草でも、イトヒキミジンアリタケがチクシトゲアリに出ていたり、あるいは神社の境内や平地の雑木林に出る虫草のバリエーションだったり、土地が変われば顔ぶれも変わるのだなあということがよくわかったということが大きかったように思う。 トゲナナフシだったり、ここのところ目が向きつつあるヒゲナガゾウムシの仲間だったりと虫の方にも目が向き、充実した3日間を終えて帰途についた。 夏の遠征の前半戦が一区切りで、ここからはまたお家&ご近所モードに戻る。 →虫草詣で(その17) #
by ikkaku24
| 2008-08-04 11:58
| 菌類
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2008年 07月 31日
昼頃、近場のK川で虫草探索するも新たな発見はナシ。ハチタケ、ハナサナギタケが一個体ずつ。それとサビイロクビオレタケの前回採集しなかったのが残っていただけ。
帰宅してしばらくすると速達が届いた。宮崎のIさんからの虫便。中身はミツギリゾウムシ。オトシブミ関連でゾウムシを気にしている今シーズン。まだ手つかずの科の一つがミツギリゾウムシ科。「とれたけれど入り用ですか?」というメールにすばやく返事したところ、もう届いたのだった。大きいし、固くてツルツルだし、動きはメカニックだし、いいねえ。オスが見てみたいなあ……とさりげなくリクエスト。 近所のエゴノキにエゴヒゲナガゾウムシが出てきていたのでこれも撮影。これもゾウムシ科でなくヒゲナガゾウムシ科だ。ヒゲナガゾウムシ科は枯れ木食だったりキノコ食だったりが多いのに、これはエゴノキの実にやってくる。壁に激突したような顔面が特徴でもある。目の突出具合はオスが激しいのだが、あまりに特殊化してしまい、正面から見ると目にみえないほどの存在になってしまっている。というわけで正面顔はメスをモデルにしてみた。相変わらずいい愛嬌だ。 ここのところやや疲れ気味ではあるが、明日からはまた二泊三日の遠征。今度は京都。天気予報の数字を見るだけでゲンナリするような最高気温の日々みたいだけど、ハイ、もう一踏ん張りです。 #
by ikkaku24
| 2008-07-31 17:58
| コウチュウ目
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2008年 07月 30日
北陸遠征のもう一つの目当てはヒメクロオトシブミだった。 ヒメクロオトシブミなんてそこらへんにいるんじゃないの?と思われるかもしれない。僕もつい最近まではそう思っていたし、たしかにそういう側面はある。 ところがこの普通種のヒメクロオトシブミをじっくり見くと、地方変異あるいは色彩変異という問題にあたる。そのあたりはオトシブミ屋沢田さんのサイトにくわしい。 過去記事リンクにあるように、僕が今くらしている長野では赤腹型と呼ばれるお腹と肢が黄色のタイプが、かつてくらしていた関東では黒色型と呼ばれる全身黒いタイプがいたが、もう一つの背赤型というタイプをまだ見たことがなかった。背赤型は北陸や北日本に分布することになっていて、さらに福井のあたりには中間型もいるとのこと。北陸に行くのだから、ついでにそれらを探してみようというわけなのだった。 前日につづいて大雨雷注意報の出る中、探してまわる。広食性のヒメクロだけに、まずはこの時期の旬のホストを見つけなければならない。これにかなり手間取ったが、どうやらコナラのこの時期に伸び始める若葉が好まれていることがわかると少しずつ見つかるようになった。 まずは最も北のポイントで背赤型を見つける。7匹見つけるがここではすべて背赤型(画像左上)。 そこから3kmくらい南下した谷に入ってみる。コナラで6匹を見つける。5匹は背赤型。一匹は背赤型だが、肢が微妙に黄色い(画像左下)。テネラルなのかもしれない。 さらに南下しつつ探すがなかなか見つからず。最初のポイントから9kmほど南下したあたりでポツポツ見つかる。ここまで来るともう赤腹型が多い(画像右下)。ただ一匹だけ黒色型のようでいて背中が微妙に赤いタイプも見つかった(画像右上)。 沢田さんによれば、このエリアにはもっと入り交じった中間型がいるらしい。駆け足で見て回っただけではあるけれど、なるほどこれはおもしろい現象だと思う。こうやって並べてみると、ホントにおんなじヒメクロオトシブミなの?というくらいのバリエーションに見えてくるが、せいぜい9kmの範囲にいるものたちなのだ。 →こっちの虫、あっちの虫 #
by ikkaku24
| 2008-07-30 18:35
| コウチュウ目
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