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2024年 03月 18日
とはいえまだシーズン前。唯一見つかったのは菌生冬虫夏草。細根がむき出しになった斜面がいかにもだったので探してみると、いくつも発生していた。 菌生は外見がよく似ていて、胞子を調べないと同定できないケースが多く、肉眼レベルの観察者にはハードルが高い。いつも頼ってしまうYさんに、子実体断面が黄色っぽいこと、宿主のツチダンゴはアミメツチダンゴっぽい情報を添えてお尋ねしたところ、ヌメリタンポタケの可能性が高いとの返事をいただいた。なるほどだ。 このポイント、長野県にはなかなかないシイ林で期待してしまうのだが、今のところハナサナギタケやハチタケくらいで、めぼしい成果はまだない。今シーズンもときどき見にこよう。
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by ikkaku24
| 2024-03-18 20:21
| 菌類
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2023年 10月 19日
教材用に準備していたエダナナフシが産卵したので、ずっとやってみたかった実験を行なった。 ナナフシの卵はどれも変わった形をしている。たとえばエダナナフシの卵は蓋(孵化するときに開く)に取っ手のような出っ張り(capitulaと呼ばれる)がある。capitulaには、植物のカタクリのエライオソームのような効果があるらしく、海外ではアリがこれにひかれて卵を運ぶことがわかっている。 最近では日本でも、アリの巣からナナフシの卵が見つかっている。Katsube et al. (2022) によると、大分県のヤマトアシナガアリ、アズマオオズアリの巣からエダナナフシ、ヤスマツトビナナフシ、ニホントビナナフシの卵が見つかったそうだ。 そういうわけで、やりたかった実験とは「エダナナフシの卵をアリの巣の近くに置いて運ばれるか」である。アズマオオズアリが見つからなかったので、代わりに庭にいるアリで試すことにした。 1日目。エダナナフシの卵を5個、容器(瓶の蓋)に入れ、トビイロシワアリとクロナガアリの巣の近くにそれぞれ置いて様子を見た。 トビイロシワアリでは、ほどなく関心を示すアリがあらわれた。capitulaの部分をさかんに調べたり、かじったり。やがてcapitulaを大顎でくわえて運ぼうとしたが、このアリにとって卵は相当重いらしく、また容器の表面がツルツルしていることもあって踏ん張れないのだろう、運び出すことができない。しばらく観察していたが進展はなく、この日は卵をそのままにして観察を終えた。一方、クロナガアリの方は卵に関心を示さなかった。 2日目。朝、確認してみると、トビイロシワアリの容器から卵がなくなっていた。 運搬されることがわかったので、その場面を見るべく再びチャレンジする。今度は10個の卵を巣から20cmほどの地面に直接置いた。 数分後、さっそくアリがやってきた。少し調べてそのまま去っていくものもいたが、1匹がcapitula部分に強い関心を示し、それを切り離した。運んでいくかと思いきや、それ以上はせず、別の卵へ。今度はcapitulaを顎でくわえ、後ろ向きに運びはじめた。ところが卵が重くなかなか進まない。またもう1匹が別の卵を同じように運び始めた。どちらも少しずつ、ゆっくりで、巣までの20cmを運ぶのに30分ほども要した。 それからしばらくすると、情報が伝わったのか、さらに数匹が卵にやってきて取り組み始めた。やはり重いようで、ちょっとでも段差があると引っかかって止まってしまう。1時間ほどしてようやく半分の5個が巣に運ばれた。 ここで用事ができて観察中断。1時間後に戻ってみると、卵は全てなくなっていた。約2時間で10個の卵が持ち去られたわけだ。 最後に、巣を覆う板(もともとは植木鉢だったが、調べやすくするために板に交換してあった)をあげて卵を調べた。地表に転がっていた卵は8個だった。そのうちのいくつかにはアリがついていたので、穴に向かって運ばれている途中だったのかもしれない。 面白いのは8個のうち4個は取っ手状のcapitulaがなくなっていたことで、これだけを分離して巣穴に持っていたのだろう。また見当たらなかった2個は、卵ごと巣穴に運び入れられたのだろう。 今回の実験で、トビイロシワアリはエダナナフシの卵に関心を示し巣に搬入することがわかった。他のアリ、ナナフシの組み合わせも機会があれば試してみたい。 最近では鳥がナナフシを捕食した場合、体内の卵は未消化のまま糞として排出され、孵化できることも示されている。 ナナフシにまつわるあれこれがわかりつつあって、ナナフシファンとして嬉しい、楽しい。 #
by ikkaku24
| 2023-10-19 19:32
| ナナフシ目
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2023年 10月 15日
昆虫目的で隣県まで遠征。翌日、切り替えて冬虫夏草モード。新しい場所を開拓しようということで、事前に地図で見て気になっていたところを見てまわる。 初めて入る場所はワクワクするけれど、何が出るかわからないので、地面を見るか、枝を見るか、葉の裏をめくるか、狙いが絞りにくい。 雨上がりでどこもいい環境に見えたが、さすがにもう秋、虫草は乏しく、ハナサナギタケやギベルラタケ、未熟なガヤドリタケくらい。 夏ならもう少し何か出るのではと期待できそうなところもあったので、来シーズンの課題にしたい。 #
by ikkaku24
| 2023-10-15 19:42
| 菌類
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2023年 09月 17日
Iさん、SさんとY岳で虫草。今や県内で最も有望な坪となった落葉樹林帯の沢の探索。 今日は目のいい二人にかなり珍しい種をいくつも見つけていただいた。 一つはミチノクコガネツブタケにストローマ、宿主とも少し似た雰囲気のウスイロヒメフトバリタケ。 そしてもう一つはオグラムシタケ。朽ち木生のかなり稀な種で、僕はこれまで一度しか見たことがなかった。以前からこの沢にあってもいいのではと話してはいたけれど、本当に見つかってびっくり。 宿主クモの種類を検討中で、ここではなぜか多く見つかる稀種オグラクモタケも、追加のサンプルをいくつも見つけていただいた。 そういうわけで僕はほぼ普通種しか見つけられなかったものの、二人の奮闘で全体としてもこの時期にしてはかなり多い20種ほどが出て、大変充実した探索となった。
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by ikkaku24
| 2023-09-17 20:20
| 菌類
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2023年 08月 26日
虫草シーズンもそろそろ終わりと思っていたのだけど、思いついたことがあって単独でY岳まで。 巻かれた落ち葉の中のクモから発生するオグラクモタケ。先日、宿主のクモについて知りたくて、ツイッターに写真をあげたところ、アカギフクログモだろうというコメントをいただくことができた。ありがたい。 アカギフクログモの記載論文を見ると、その生態について、標高1000-1400mの落葉広葉樹林、低木下の落葉から、5月から10月まで得られるとある。 実は、樹上にある緑葉の巻いたところに入ったクモが感染して、葉ごと落ちて……というシナリオを想像したので、この「落葉から」に引っかかった。本当だろうか?たしかめるしかない。 そういうわけで、今日はオグラクモタケの発生地の林床で落ち葉にいるクモを調べることにしたのだった。まずは片っ端から巻いてる落ち葉を拾っては広げていく。なかなかクモには当たらない。しばらくして第1クモ発見!……ところがサッと落ちて見失う。これに懲りて捕虫網で受けて作業することに。 さらにいくつもの落ち葉を調べて、ようやくクモ発見。オグラクモタケの宿主に大きさも雰囲気もよく似ている。なるほど。細部を調べて確かめる必要があるが、少なくとも落ち葉に入るクモがちゃんといて、それがそのままオグラクモタケの宿主になっている可能性は高い。 さらにもう一匹。先ほどのよりもずっと体が大きい。別種のようだ。次に出てきたのはうんと小さい。幼体だろうか。それにしても、落ち葉にクモ、けっこういるものなんだなと思う。このころにはクモが入ってそうな巻き方の落ち葉もわかるようになってきて、半日ほどで14匹の(数匹逃してしまったが)クモを見つけることができた。 連れ帰って写真に撮って比べると、少なくとも3種類(うち1種はどちらかの幼体かもしれない)いそうだ。ではオグラクモタケの宿主側のバリエーションは?来年の課題になりそう。
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by ikkaku24
| 2023-08-26 20:44
| 菌類
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