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2010年 02月 01日
都留では、標本撮影の後、2年前のリベンジのドブネズミ撮影にチャレンジ。結果は空振り。前回よりもフィールドサインが薄いことから期待薄ではあったのだが、やはり出て来てくれなかった。できるときにものにしておかないとなあといまさらながら思う。
そのセットを設置した後、せっかくだからと夕方からムササビ観察。 ニシくんに案内してもらったのはI神社。 I神社はムササビに多少とも関心のあるナチュラリストの間では最も有名な神社の一つだろう。ムササビの生息には、ねぐらとなる大木のウロとえさ場となる林のセットが基本で、I神社でもかつては林と連続していたようだが、次第に間の木が伐採され、完全孤立化した社叢となっている。このあたりの事情は動物学者I先生の本に紹介されていて、教員時代によく読んで知っていた。その現場をはじめて見ることになったのだった。 神社は遠くからながめただけで、ああここだなとわかる状態で、つまりは島上に孤立しており、ケヤキはケヤキらしからぬ姿に変形してしまっている。この小さな社叢にあるのはケヤキ、スギ、イチョウと後から植栽されたシラカシのみ。用水路をはさんで少しケヤキ。滑空で行ける範囲にはそれだけしかない。 普通に考えれば、ここは「かつてはいたけれどいなくなっちゃった神社」である。その後の保護活動の詳細を知らないし、ニシくんによれば一時期は外部と行き来していたとのことだったが、正直言って、今でもまだいるの?と思わざるを得ない状況だった。 それでもI神社にムササビは生息していた。この日確認したのは2頭で、何度も観察会が行われているからかそれほどこちらのことを気にしない様子だった。食痕からすると、この時期はケヤキの新芽を食べているようだった。ムササビの撮影セットなどとくに用意してこなかったのだが、期せずしておだやかなポートレートを得、神社を後にする。 翌日はニシくん、Sさんと各種フィールドサインを見つけながら裏山探索。 「カシラ10年、アオジ一生っていう格言みたいなのがバンダーの間にはあるんですよ」 鳥のオス、メス識別について聞いていたときに、ニシくんから聞いた話。バンディングという手法では、至近距離から鳥を細部まで観察することになる。カシラダカのオス、メスを識別できるようになるまで10年かかり、これがアオジだとほぼ一生かかるほどに難しいと意味だ。 意外なことにオス、メスでけっこう違いそうなルリビタキも難しいとニシくん。 「この間、相当オスっぽいけどメスだったという個体が見つかっちゃったんですよ。かなり鮮やかな青い個体ならオスで大丈夫だけど、メスの方を言い切るのは難しいということです。メスと書いてある写真はどうかなと思います。ハシブトガラスとハシボソガラスだって難しいです」 うーん、こういう人の眼で見られたら大変だなあと思いつつ、ほおとも思う。 そのニシくんが「モンシロチョウとスジグロシロチョウってむずかしいですか?」などと聞く。「やっぱり捕まえて並べて見比べるのがわかりやすいんじゃないかな。夏型のメスとか特徴のはっきりしたのならパッと見た目にわかるけど、遠くからだとか、飛んでたりするとまぎらわしいときもあるよね。もっと難しいのはスジグロシロチョウとエゾスジグロシロチョウだけど……」と答えつつ、ああ同じだなあと思う。典型的な二つなら迷わないけれど、たくさん見ていって、連続的な部分や例外的な個体を見るにつれ、そんなに単純なものじゃないぞということが見えてきてしまう。自然や生物について言い切ることは実はむずかしい。そういうものなんだろう。 こんな感じで、他にもこの地方特産の吉田うどんを食べ歩いたりというのもあり、あれこれと見たり、聞いたり、考えたりするプチ遠征であった。
by ikkaku24
| 2010-02-01 08:43
| ホニュウ類
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