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2017年 08月 21日
日本冬虫夏草の会の総会&観察会である虫草祭参加で遠征。 今年の会場は山形県小国町。東北のブナ林はほとんど探索したことがないので楽しみだが、いかんせん遠い。前夜は車中泊してというちょい強行プランになった。 1日目の朝、山の上の峠で栃木からのヤマモトくんと待ち合わせ。ところが雨がけっこう降っている。しかも探索予定の沢の林道が崩落で通行できないことが判明。入り口付近に工事用車両が並んでいたが、歩きで通ることはできそうなので、だめもとで入ってみることに。はじめの方はスギなどの植林混じりだったが、途中からブナ、ミズナラ、トチノキなどの広葉樹林に。若木、ササ、下草が多めだが、ところどころ大木が立つというちょっと不思議な林相だ。ここに向かう途中の山も伐採跡が多く、かといってスギ林になっているわけでもなく、ところどころに大木があるブッシュという不思議な場所も見られた。まるで伐りっぱなしで何十年という感じなのだ。 それでも部分的には立派でかっこいいブナが立っている部分があり、そんなよさそうな斜面、沢ぞいをのぞいていく。さすがに日本海が近いからか沢から離れてもけっこう湿っているし、空気も湿っぽい。カメムシタケ(ホストはツノアオカメムシとクサギカメムシを確認)、アワフキムシタケがポツリポツリと見つかる。と、サナギタケ風だが色と雰囲気の違うものが目に入る。ヤマモトくんに見てもらうとトサカイモムシタケ。小型の個体だったが、イモムシ屋として見ておきたかったイモムシ生虫草のひとつでうれしい。意外にも虫草の数は少なめだったが、いつもと違う環境でヒラタケ、イヌセンボンタケを見たり、新しめなクマの糞(小さかったので余計に)びびったりして、楽しい探索に。 午後から会場入りして総会と講演会。講演のひとつはヤマモトくんの研究テーマ、コケ共生の菌類の話。断片的には聞いていたが、まとめてのストーリーは初めてだったので大変面白く、虫草王子ぶりを再確認。宴会につづいての発表会も盛りだくさんで、勉強になる内容が多かった。 今回のコーディネートである山形のTさんは、現役時代は営林署に長くお勤めで、このエリアも昭和30年代に担当されていた。当時のことをうかがっていたら、昼間見た森の風景の意味が分かってきた。 「スギは植えたんだけれども根付かなかったというところが多かったんだわ。もうひとつは、そのころ盛り上がってきた自然保護運動の影響みたいなことなんだけれども、伐採するときに「母樹になるから」という理由で大木をぽつん、ぽつんと残して、それで他はみんな伐るの。そうするとそのあとスギを植えなくてもいいわけさ」 「ブナはチップにしたんだ。ある年に災害で大量の倒木が出て、その処理にパルプ工場を作ったわけ。ところが倒木がなくなったら材料がないっていうんで、ブナを伐って使うようになったんだ」 Tさんの話を聞いていると、目の前の森林の成り立ちを早回しで見ているような気分になった。 僕も含め旧知のメンバーは歳を重ねていっているものの、若手の新しい顔も増えている。同室になったKさんは虫から虫草を見るようになったという方で、はじめての参加ながら、トゲアリに発生するクビオレアリタケの発生経過を追った発表をされていた。前年、生きている状態のトゲアリから始まり、虫草祭直前に結実するまでの約1年間を一週間に一度撮影してつなげたという労作。てっきり家の近くかと思いきや一時間くらいかかるポイントでの継続観察ということで感服してしまう。 二日目、観察会本番。上流部の沢ぞいのブナ林を探索。川沿いの平坦面、若いブナ林、大木のブナ林といくつかの環境があってなかなかポイントが絞れない。地面のアワフキムシタケ、朽ち木のサビイロクビオレタケ(極端に小さいものが多かった。キアブの種類が違うのか?)、枝のトルビエラ属の一種などを見つけている間にも、残り時間があっという間になくなってしまう。環境に目移りして腰が落ち着かないとこういうことになってしまう。 それでも大人数の探索によって変わったものも出ていたようで、アリヤドリツブタケ、アリヤドリタンポタケ、ウスキヒメヤドリバエタケ、ヨコバイタケ、ハナヤスリタケ(シロネハナヤスリタケ?)などが珍品賞を獲得していた。 終了後、ヤマモトくんと再び気になっていたポイントを探索。カメムシタケ、アワフキムシタケ、サビイロクビオレタケ、クモノオオトガリタケといったところまでで二人ともエネルギー切れ。 帰り道のドライブはさすがに強力な睡魔に襲われ、ちょっとのつもりの仮眠が一時間以上の爆睡になるほどだったが、楽しかった虫草祭もこうして無事に終了。
by ikkaku24
| 2017-08-21 15:13
| 菌類
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