関連サイト
tweets @yasudamam
最新の記事
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 コウチュウ目 ハエ目 チョウ目 バッタ目 ハサミムシ目 アミメカゲロウ目 ハチ目 カメムシ目 ナナフシ目 トンボ目 その他の虫 ゴキブリ目 ホニュウ類 鳥類 両生類 植物 菌類 田んぼ 拾いモノ イッカク 骨 お知らせ 爬虫類 その他 庭 作物 犬 物置 畑 機材 本 地学 未分類 ライフログ
ブログジャンル
その他のジャンル
カレンダー
|
2008年 09月 01日
福島冬虫夏草詣でにはいくつか目的があった。
その一つ。冬虫夏草のいわゆる周辺にあるネタを撮ること。液浸になった標本だったり、漢方薬としての冬虫夏草だったり、冬虫夏草を使った製品だったり。 で、いつもお世話になっており、漢方薬局の人でもあるカイツさんにその辺をおたずねする。 「トウチュウカソウは今手に入らないんですよ。粉にした状態のものしかないです」 ちょっと説明がいるかもしれない。漢方薬として有名な冬虫夏草は種類が決まっている。中国のコウモリガ幼虫に寄生するシネンシスという種で、この和名がトウチュウカソウ。これが乾燥され、数十本が束にされ(画像3)小さな箱に詰められた状態で流通する。以前はそれほどでもなかったが、最近は価格が高騰し、とても手が出ないのだという。 「今、そういう標本はウカジさんのところにあるんですよ」 そういうわけで、福島一日目はまずウカジさんのところでいろいろ標本を見せてもらうところから始まった。ウカジさんといえば「特級掘り師」の称号を持つほどに虫草掘り採り技術の高さを持っている人ということは知っていた。が、自宅のあちこちに置かれた標本たちを見せてもらい、これはものスゴくマメな人でもあったのだとわかる。 液浸標本はすべてちゃんとしたビンの中に整形されおさめられて、棚にズラリと並ぶ。冬虫夏草関連の商品も、栄養ドリンク、お茶、化粧品にいたるまで「これで中国2,3回行った分です」というには山のようにある。もちろん件のトウチュウカソウもちゃんと何種類かのパッケージであった。 大御所であったシミズ先生から博物学的な姿勢を受け継いだウカジさんの興味はもちろん冬虫夏草にとどまらない。さまざまな種類の野生植物の木の実を使った果実酒のビンがズラーッ。拾ってきたマツボックリやら枝やら動物の糞なんかをていねいに加工してつくったペンダントなどのアクセサリーのおさめられたひきだしがズラーッ。蔵の作業部屋にはヒグマの毛皮がズラーッ。さらに「菌生冬虫夏草」とか「第○回西表冬虫夏草調査」とか、テーマに沿ってあつめた詳細な資料・記録をまとめた自家製冊子がズラーッ。福島駅で合流しいっしょにおじゃましたミヤモトさん、イガリさんとともにいちいち「わぁー、スゲーッ!」と驚くばかり。 撮影しながらいくつか話を聞く。ビックリしたのは虫草を掘る道具について。特級掘り師は何を使うのかと気になったのだが、答えは、 「私は道具使わないんですよ。素手です」 根っこが出てくれば剪定ばさみは使うが、定番のピンセットは使わず指で掘るのだという。「清水先生に指で掘れって教わりました」ビックリつづきだ。 虫草関係のいくつかのみの撮影を終え、もう一つの目的のT温泉に向かった。そこでサイトウさん、カイツさん、泊まった温泉宿のご主人でもあるアベさんと会う。 食事はどれもおいしくて食べきるのが大変なほどの量でもあったのだが、ここは虫草屋アベさんの宿でもある。最後に特別メニューが登場した。冬虫夏草鍋。トウチュウカソウがたっぷりと入った煮込み鍋である。もう体の調子が完璧になりそうなありがたい汁をすする。 カイツさんいわく、「今、トウチュウカソウは一本3000円くらいするかな」。発生地であるチベットの高原はそれぞれのテリトリーになっていて、よそものが入り込むのは危険な状態にまでなっているのだという。そのトウチュウカソウが僕の汁には5本くらいは入っていたから一杯15000円てこと?!……はぁ。 →虫草詣で(その21)
by ikkaku24
| 2008-09-01 18:18
| 菌類
|
Comments(2)
|
ファン申請 |
||