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2008年 10月 26日
ネジレバネ屋のNさんから連絡あり。伊那で開催される「地バチの巣コンテスト」に来る予定とのこと。例年のごとくこの行事は見に行くつもりとだったので、現地で落ち合うことにした。
地バチの巣コンテストとは、飼育したクロスズメバチ、シダクロスズメバチの巣を持ち寄り、その立派さを競う催し。ネジレバネ屋であるNさんがどうしてこれに来るかといえば、もちろんハチに入るネジレバネ目当て。巣盤をとりだす会場を見ていたら、持ち主に話をつけ、巣解体跡に落ちている成虫を革手袋をはめた手でザザザッとかき集め袋につめてる人がいて、会うのは初めてだったがそれがNさんとすぐにわかった。 あいさつもそこそこに二人で巣を見て回る。ほとんどすべての人は、コンテストに出品された巣の立派さだとか、幼虫の入り具合とかを見ているわけだが、Nさんは煙でいぶされて転がる成虫を一つひとつながめてまわっている。「一通り見ましたけどついてなかったですね……」ネジレバネがついていればそれとわかるようだ。うーん、スガレの巣もこういうウォッチングの楽しみがあったのね、と発見する。 あいにく雨だったので、お茶しながらのネジレバネ談義。ネジレバネの種類やら生態やら、基本的な、しかしどこの教科書にもあまり書いてないことをレクチャーしてもらいつつ、喫茶店からそば屋をはしごしての話。 「ネジレバネがつく相手というのは何があるんですか?」 「カメムシ類とスズメバチ類。それからタイワンンクツワムシにつくのがいます(これは以前スギモトくんに送ってもらったことがある)。クツワムシについてるのはメスで、オスはアリに入ってます(これだけでもスゴイこっちゃ)。そして、ウンカ(これもチッコイなあ)。稲刈りころにライトトラップにたくさん来るのを見るとけっこう入ってるらしいです。それからヒメハナバチ、コハナバチに入っているのがいます。ヒメハナバチに入ってるのでも日本に20何種類いるはずです。ハチではあとドロバチ類にも入ります」 カメムシ、ハチ、バッタが相手、どういう関連なんだろうと思いをはせつつ、さらに心躍る話もきく。 「あと、ゴキブリにつくのがいます。西表のウスヒラタゴキブリにつくんですけど、1930年代に見つかったのが最初で最後です。ゴキブリにつくネジレバネが見つかってるのはこの西表のとオーストラリアだけなんです。僕も30-40匹調べたんですけどまだ見つけてません。調べてる人が少ないだけでいるとは思うんですが……」 うーん、見てみたい。 「タイワンクツワムシにつくネジレバネでふ化する幼虫は10万匹くらいです。で、世界最大のクツワムシがいるんですが、これにもネジレバネがつきます。これの幼虫は70万といわれてて、昆虫最多でしょうね。でもネジレバネの幼虫は0.2mmで小さくて見えないです。ツチハンミョウの幼虫だと0.8mmくらいあるのでまだいいんですけど、0.2mmだと実体顕微鏡だと形態が鮮明には見えないです」 そもそも、どうしてネジレバネに? 「変わった虫、おもしろそうな虫ということ、ですかね。ちゃんと昆虫をやりはじめたのが大学入ってからなんで遅いんです。メジャーな虫をやろうとしたって昆虫少年のときからやってる人には勝てっこない。で、とりあえず実際に調べてみたらけっこう見つけられることがわかって、じゃあやってみようと……」 この辺りの事情とか考え方には思わず深くうなづいてしまった。そうなんだよねえ。でもニッチなんでしょうね……。 「日本でネジレバネやってるのは、退官された方がお一人、それに僕、あと二人くらいでしょうか」 そういう世界なんだねえ、と思う。でもそれでもネジレバネ、姿も生態もとんでもなくてえらく気になる虫、なのはまちがいない。 来年こそはネジレバネ、もっと見つけてみたいなあ、思ったのでした。Nさんどうも、でした。 →ネジレバネ!(その7)
by ikkaku24
| 2008-10-26 16:10
| その他の虫
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