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2015年 06月 07日
![]() 鳥の翼の骨が必要になって標本スペースをひっかきまわす。……あった。ちゃんと小さなダンボールに「手羽」と書いてある。 何のときだかもう忘れてしまったが、鳥の前肢(翼)の骨が必要になったのだろう、手羽先(指と前腕)と手羽元(上腕)を買ってきてクリーニングして組立てたのだった。 骨格標本をつくるのは一般の人が考えるよりもずっと簡単である。煮るなどして軟組織をきれいに外し、組み立てればいいのだから。もちろん目的によりそれぞれの工程にいろいろノウハウはあるのだが、単純な原理は「軟組織を除いて骨だけにする」ただそれだけだ。 この手羽標本のときは、欲を出して脱脂しとこうと考え、それ用に使った除光液の青色が残ってしまっているのがちょっと残念。 ついでに少し撮影。やっぱり骨は美しいなと思う。 そういうわけで業務連絡。Sさん、これでよければ展示に使ってやってください。 ▲
by ikkaku24
| 2015-06-07 14:48
| 骨
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2010年 10月 31日
骨の授業、当日。
台風がやってきて、前夜から朝になっても大雨。初めて行く会場はかなり山の中。大丈夫かなあと心配したが、それでも20人ほどのお客さんが集まってくださる。 自己紹介をかねて骨歴の話からはじまり、頭骨いろいろ、足の骨いろいろを、課題形式にして考えてもらいながら紹介という流れが、前半の授業部分。 後半は、マキコたちが大阪で開発したネタである、頭骨のプラ板ストラップ工作。子供から大人まで、楽しく作業できるいい素材だ。 悪天候の中いらっしゃるだけあって、みなさん熱心かつフランクモードで、久しぶりの授業もなかなか楽しくできた。 烏川渓谷緑地では、熱心な骨屋のOさんがいて、飯場の作業員のたき火を借りてクマの頭を煮た、なんていうダイナミックな骨話なども聞いたり、昆虫コレクションのハサミムシの写真が好きですと言ってくれる方がいたり、イベントコーディネーターをやってるという方とは、近くでイベントあったときにこういう講座やってみましょうかという話を交わしたり、これからに何かつながるかもしれない、うれしい小さな出会いもついてきた。 骨とは関係ない話だが、道すがら、農産物直売所に寄って野菜を物色。赤いダイコンが目に入る。ここのところ野菜眼なので即買いしていく。 つい先日、地元の直売所でやはり赤いダイコンが売られていて、こちらは「赤大根」という名。色はどちらかというと赤紫系統の赤だった。この日、見つけた方の赤いダイコンには「紅大根」の名がついている。朱色系の赤で、わかりやすくいえばニンジン系の赤い色だ。 断面を切ってみて、そこにも違いを発見する。「赤」は内部にも赤色素が入り込んでいたのだけれど、「紅」は赤いのがほぼ皮部分だけに限られている。 赤いダイコンにもいくつかのタイプがあるんだなあと確認した次第。 ![]() ▲
by ikkaku24
| 2010-10-31 10:36
| 骨
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2010年 01月 31日
![]() その一つ、ノウサギ。昨年12月に入手されたばかりの標本で、「拾ったときはまだ暖かかった 」という代物だ。ノウサギは学校勤めをしていたころに一度やはり入手していて、しかし損傷はげしく、部分的に骨とりして終わっていたように記憶する。ともかくこれほどに新鮮なのははじめて。 心ひかれたのはその後脚の毛だった。 ノウサギの後脚には4本の指があるが、その指の存在がほとんどわからないほどに毛が密生している。実際、根元をつまんで開かないと毛同士がくっつきあって、指の分かれ目が見えず、一つの塊になるほど。 毛は足の裏にもたくさん生えていて、というかむしろそこにびっしりと生えていて、実際の足裏の下にさらに1センチ以上は毛の層があるという具合になっている。実際に足の裏を硬いテーブルの上に立ててみると、足の指の関節のクッションと相まって、まるで極上の絨毯の上に足を乗せているような心地になる。この機能はたぶん言葉や写真では伝わりにくい部分で、やはりこのまだ柔軟性を保った標本を手にしながら、テーブルの上に押し当ててみるという作業が最もいいんだろうなと思う。 ![]() 想像するに、北海道のエゾユキウサギや、北極圏にすむその名もカンジキウサギはこの機能がもっと発達しているのだろうな、と思う。その足をいつか見てみたい、とも。 でも、と疑問も。多雪でない地域のノウサギがこのような足をもっているのはどうしてなんだろう。足音を立てにくいという以外に何かいいことがあるんだろうか。 欧米にはウサギの脚が、幸運をもたらすお守りに使われるという。これもどのあたりから派生してきた考え方なのかわからないが、この「へえー」な後脚のつくりを見ていると、ウサギという動物の姿がまたちがったかっこいいものとして見えてきた。 ▲
by ikkaku24
| 2010-01-31 20:35
| 骨
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2009年 08月 24日
![]() 大阪に遠征、ホネホネサミットに参加。 ホネホネサミットとは、大阪市立自然史博物館で開催中の企画展「ホネホネたんけん隊」にあわせ行われた、全国の骨屋が集結するイベント。企画展自体たくさんの骨格標本が展示され充実していたが、この二日間だけは完全にサミット会場に人が集まっていた。 骨を愛好する集まりといえばなにわホネホネ団が代名詞になっているが、規模はさまざまながら骨を愛でる人たちは全国に散らばっている(なぜか、西日本で盛んで東日本には少ないという傾向はある)。その個人、団体が会場のあちこちにブースをかまえ、持参の骨格標本、骨グッズを展示している。自由の森学園の骨部屋のように集まってくる死体から骨格標本をつくりあげる正統派骨屋が多いが、他にも骨をモチーフにしたアクセサリー、ディスプレイをつくっている店、細密画や恐竜復元にたずさわっているところまで、同じ骨でもつきあい方、入り方がちがうところがおもしろい。それらをながめ、出展者と話をし、かと思えば、歩いている途中に間接的に名前は知っていた方に会い、あいさつをし、情報を交換したりしていれば時間はあっという間にすぎる。初対面でも骨好き、生きもの好きなので話題には困らない。 カナダ先住民の村に通い狩猟生活の研究にたずさわっているミカコに久しぶりに会う。ビーバーの毛皮、下あごなどさまざま並ぶブースで話す。わな猟やビーバー漁の解説もある。ビーバーの尻尾はずっと前に映像で見て食べてみたいと思っていたものの一つ。「ちょっと筋があるけどほとんど脂肪」とのこと。暮らしに密着した骨や動物の体たち。 会場では何度か知らない方からも声をかけられた。「あの本、骨をはじめたころに参考にしました。ポリデント使ってました」。『骨の学校』のことだ。たしかにあのころ、専門書はあったものの、一般向けに骨格標本の作り方を紹介した本がほとんどなかった。骨格標本はそれだけ敷居が高いと思われていた、いや自分もそう思っていた。本の力ってやっぱりすごいんだなあと、そういう方の話を聞くとあらためて思う。もっともそれからマキコたちの活動により、骨格標本つくりの技術、方法、そして規模は格段に進化し、見て回っていても、「はあ、スゲエ」というものばかりという状況になっている。盛口氏と「オレたちはネアンデルタール人だあ。クロマニョン人に駆逐される……」なんてぼやいている始末。 さて、サミットの目玉は講演。縁者は、ドイツの標本作製技術者の専門学校を出て、向こうの博物館で修行し帰国したミノルと、彼の知人の標本技術者ヤンさん。ミノルは盛口本にたびたび出てくる「ミノル」であり、おそらく多くの参加者がもっとも会ってみたかった骨屋の一人ではないかと思う。かくいう僕も会うのは久しぶり。人は変わってなかったがもちろんグンと進化していた。 一日目は鳥類剥製の製作を実演しながらの講演。二日目はドイツの博物館と骨標本製作についての講演。料理番組よろしく、ハシブトガラスの剥製つくり行程をミノルとヤンさんが作業しながら解説するというもの。300人近くの観衆が、スクリーンに手元が拡大投影されるたびに「オオッ」とどよめく。最終的には羽毛を1枚1枚整えるというこだわりのため何日もかかるということで、それでも生きたカラスに向かってもう一度つくり上げていく二人の姿勢は、鳥類の剥製を途中で挫折した僕などは、うわー、すげえなあと感心するばかりであった。 ミノルは「標本士」と自分のことを名乗って日本で活動する計画。が、そもそも標本士という用語自体、ミノルがつくったものであり、それだけドイツでは当たり前の標本作製技術者と、つまりは標本が、残念ながら日本ではまだ十分認められてないのが現状。彼も就活中。彼や彼らがつくる標本の地位が位置づいていかなくちゃいけない、と思う。 帰り際に話しかけられた人いわく、「『骨の学校』見て、一人でコツコツつくってました。それが何人かときどき集まって情報交換できるようになって、今回、自分のつくった骨格標本がこんな形で大勢の人の前で見せられるようになるなんて考えもしなかったです」。一日目で観覧者3000人(これでも少ないとのことだったが)の人が興味を持って集まってくるのを目の当たりにして、骨が持つ力をあらためて知る。そして、そもそもサミットなどという大それた企画を作り上げてしまったマキコたちスタッフさんたち、スゴイなあと感心することしきり。 最近はときどきだし、標本作製のクオリティをこれから大きく上げようという根性はあまりないけれど、教材や人とつながるものとしても、またあらためて骨とつきあっていこうと思った二日間だった。 ▲
by ikkaku24
| 2009-08-24 09:49
| 骨
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2009年 02月 21日
![]() 久しぶりに「骨屋」である。 博物館での骨格標本つくりに手をつけたのだ。そこの冷蔵庫にストックしてあったいくつかのネズミ、モグラ類、、小鳥類など。自分の家の冷蔵庫にストックしてあったものも少しある。この際まとめて骨格標本にすべく通っている。 しばらく骨取りはしていなかった。数年前にダチョウの脚をやって以来。そのあと、マキコのところのホネホネ団のところへ行ったことはあったけれど、自分ではやってこなかった。そろそろまたやりたいなと思っていたところに声がかかって、これはいいタイミング、とやらせてもらうことにした。 骨格標本つくりといっても原理的には単純であり、死体の皮を剥き、肉を取り去って骨だけにし、きれいにして、しかる後に組み立てる。言うは易し。そこが奥深いところでもある。 今回は小さなものが多いので「靭帯あげ」という方法をとる。皮を剥き肉を除去する際に、骨がバラバラにならないように、関節の靭帯をそのままにして体全体がくっついたまま行う。できるだけきれいに除肉するのが基本だが、やりすぎると靭帯もとれるので骨がはずれてしまう。ほどほどにして、あとはクリーニングする。クリーニングには水酸化ナトリウムなどのアルカリにつけてタンパク質を溶かすのが正当法だが、それが含まれるパイプ掃除液を流用したり、あるいは好んで使うのが入れ歯洗浄剤のポリデント。後者はアルカリではなく、酵素の活性を利用している。効き目がおだやかで取り扱いがより楽だ。 アカネズミとムクドリからはじめ、二日目の今日、アカネズミの方は整形まで、ムクドリはもう少しでクリーニング終了までいった。久しぶりだったが手はそれなりに覚えているものでそれなりにスムースだったものの、一方で眼が明らかに衰えておりネズミの指先の皮はぎなんかが見えないのにはちょっとショックであった。 話は変わるが、今年の直木賞は天童荒太の『悼む人』であった。実を言うとまだ読んでいないのだが、紹介されているあらすじというか設定を読んだだけでも興味深い小説だということはわかった。何せ、事件や事故で人が亡くなった場所を訪れ悼む旅をしている人が主人公なのだ。 骨格標本つくりもたぶんそういう行為と底通しているものがあるのだろうなと思っている。先日あったマキコが言っていた「アタシ、標本が好きなんだよね。古いラベルとかそういうのが好きだったりする」ということばもふと思い出す。悼むというのは本当のところどういうことをさすのか難しいけれど、すでに亡くなってしまった過去の動物の死体から何かを読み取って残そうとすることは、やはり悼むということに通じているように思う。 ここしばらくは時間を見つけては小型獣を悼む人をやってみるつもり。 業務連絡。Sさん、次は火曜日に行く予定なので、置いてある標本、道具なんかはそのままにしておいてもらえたらいいです……。 ▲
by ikkaku24
| 2009-02-21 21:09
| 骨
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